自己破産したら保証人にどんな影響がある?一括請求されるってほんと?

ローンや奨学金など、保証人や連帯保証人を立てる必要のある借入があります。
保証人や連帯保証人が付いている借入がある状態で自己破産をすると、保証人と連帯保証人への影響は避けられません。自己破産による影響を、保証人と連帯保証人別に解説します。

保証人と連帯保証人

保証人と連帯保証人は似ている言葉ですが、実は連帯保証人のほうが借入時の責任が重くなっています。保証人と連帯保証人の違いをまず解説します。

保証人とは 

保証人とは、債務者の身元や借金を保証する人です。もしも債務者が借金を返済できなくなったら、債務者に代わって債務を返済する義務を負います。ただし、保証人は債権者と債務者に対して、以下4つの権利を行使できます。

1.「催告の抗弁権」

自分ではなく、まず債務者本人に先に請求してほしいと主張する権利

2.「検索の抗弁権」

返済のために債務者の財産を先に差し押さえてほしいと主張する権利

3.「分別の利益」

保証人が複数人いた場合、債務を人数で分割できる権利

4.「求償権」

自分が肩代わりした借金を債務者に請求する権利

連帯保証人とは

連帯保証人も、保証人と同じく債務者に代わって債務を返済する義務を負います。

ただし、連帯保証人が行使できる権利は「求償権」のみです。連帯保証人の場合、債務者よりも先に借金の返済を迫られても、保証人のようにほか3つの権利が行使できません

そのため、債務者より先に請求されても全額の請求に応じなければならず、先に差し押さえを受ける可能性があります。

債務者が自己破産すると?

保証人または連帯保証人が付いている借入があって自己破産すると、以下の影響が出ます。

  • 残った借金が保証人や連帯保証人に一括請求される
  • 求償権が免除されるので債務者への請求ができない

自己破産手続きが取られて債務者が借金の返済ができないことが決定すると、金融機関や貸金業者から保証人・連帯保証人に残りの借金を一括請求されます。

保証人の場合は、権利を行使して債務者本人への取り立てや財産の差し押さえを請求できますが、そもそも債務者本人が支払不能状態となっているため、保証人本人にも返済の義務が出てくるのです。

連帯保証人の場合は行使できる権利がないため、差し押さえなどを受けてしまう可能性があります。

また、保証人・連帯保証人ともに認められている求償権は、債務者が自己破産をした時点で免除されます。そのため、自己破産をした債務者の借金を肩代わりしても、その分を請求できなくなるのです。

なお、日本学生支援機構の奨学金は平成16年以降適用より保証人および連帯保証人が不要になりました。

平成16年以降の奨学金は、本人が返済不能になっても保証会社が一括返済します。

保証人になった場合の注意点

自分が保証人または連帯保証人となっていて、債務者が自己破産をした場合は債務全額の返済が必要となる可能性があります

自己破産をすると、最終的に債務者(破産者)は借金の返済義務を負わなくなる免責が認められます。

しかし、免責となるのは債務者のみで、保証人には免責が適用されません。よって、保証人が債務全額を返済する義務を負うのです。

自分が保証人となっている借入があり、債務者が自己破産した場合の対処方法は以下の通りです。

  • 保証人が使える権利を使う
  • 債務整理を検討する

保証人の場合は、催告の抗弁権・検索の抗弁権・分別の利益の3つの権利を行使できます。自己破産によって受けられる配当分を、返済する債務から減らせます。

ただし、連帯保証人の場合は3つの権利が認められていないため、債務全額を返済しなければいけません

もしも自分が保証人または連帯保証人となっている借入で債務者が自己破産すると、自分のところに残債の一括請求が来ます

払えそうにない場合には、自分自身も債務整理を検討するのも方法のひとつです。債務整理にもいろいろな種類があり、返済額や自分の状況によって最適なものは異なります。

債務者が自己破産し、自分が返済義務を負ってしまった場合も弁護士などの専門家に相談してみましょう。

保証人への影響を少なくするためには

保証人または連帯保証人付きの借入がある状態で自己破産をすると、保証人や連帯保証人へ迷惑がかかるのはません。ただし、保証人への影響を少なくする、またはなくす方法もあります。

  • 自己破産以外の債務整理を選ぶ
  • 保証人がいることを隠すのは厳禁

自己破産以外の債務整理方法を選ぶ

自己破産をすると、債務者のすべての借入に効力が出ます。一方で、借入先を選択できる債務整理方法を選ぶと、保証人つきの借入を対象から外せるので、保証人への影響が出ません

任意整理は、整理をする借入先が選べるため、保証人つきの借入を外して債務整理ができます。

また、住宅や車ローンなど担保のついている借入も外せば、ローンを支払っている途中のものを手放さなくてよくなるのもメリットです。

また、債権者と債務者間で交渉をして、和解のもとで借金の返済をするため裁判所も介入せず、柔軟に進められます。

ある程度収入があって債務整理をすれば返済をしていける、保証人つきの借入があって迷惑をかけたくないときには、任意整理を検討するのも方法のひとつです。

保証人つきの借入がある場合には、弁護士に債務整理方法について相談してみましょう。

保証人がいることを隠すのは厳禁

自己破産をするときに、借入に保証人がついているのを隠せば保証人に影響が出ない、と考える人もいるでしょう。

保証人がいることを隠して自己破産手続きをしようとするのは、債務者本人だけでなく、結果的に保証人にも悪影響があるため厳禁です。

保証人を隠すことは、破産法によって禁止されています。保証人を隠したことが分かると詐欺破産罪に問われる可能性が高いです。

悪質なケースとして、自己破産をしても免責を認められない場合があります。

保証人本人から、隠して欲しいと頼まれた場合は詐欺破産罪の共犯として、債権者・債務者両者とも罪に問われます

債務者が保証人を隠していた場合は、保証人に対しても調査が入るため隠していてもバレます。絶対にやめましょう。

まとめ

保証人または連帯保証人のついた借入のある状態で自己破産をすると、保証人または連帯保証人へ残りの借金が一括請求されます。

自己破産をした債務者本人は免責となりますが、保証人や連帯保証人は免責とならないため、借金を代わりに返済する義務を負ってしまうのです。

債務者が自己破産をすると、肩代わりした借金を債務者に請求する求償権が免除されてしまいます。

保証人または連帯保証人がついている借入があるので自己破産して迷惑をかけたくないときや、自分が保証人または連帯保証人になっている借入で債務者が自己破産したときは、悩まず法律の専門家である弁護士に相談するのが重要です。

任意整理に切り替える、保証人または連帯保証人自身も債務整理をするなどの方法があります。無料で相談を受け付けているところもありますので、悩まずに足を運んでみましょう。

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